【日本のフクロウの種類】野生の生息地域・特徴や神話の意味

2021年3月24日

日本のフクロウの種類

日本に生息するフクロウの種類

日本に生息するフクロウ11種類
世界に生息するフクロウ268種類

日本には、どんな野生のフクロウが生息しているの?

日本の各地に生息する野生のフクロウ11種類から、フクロウにまつわる神話までご紹介いたします!

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フクロウコンシェルジュ

日本に生息する野生フクロウの種類

シマフクロウ

シマフクロウ
種類シマフクロウ
学名Bubo blakistoni
英名Blakistone’s fish owl
全長60~72cm
体重3,400~4,500g
分布北海道東部(知床・根室・日高)

北海道の中部・東部でしか見られない珍しい種です。日本以外ではロシアや中国、北朝鮮に生息しており、フクロウの中で最大級の大きさを誇ります。年々数が減り、現在では絶滅危惧種にも指定されています。

シロフクロウ

シロフクロウ
種類シロフクロウ
学名Nyctea scandiaca
英名Snowy owl
全長50~70cm
体重710~2,950g
分布北海道

夏は北極地方にいますが、冬になるとエサを求めて北海道にやってきます。オスは真っ白、メスは黒と白のまだら模様と特徴があり、見た目で判断がつきやすい種類でもあります。

ユーラシアワシミミズク

ユーラシアワシミミズク
種類ユーラシアワシミミズク
学名Bubo bubo
英名Eurasian eagle owl
全長58~75cm
体重1,500~4,600g
分布北海道

生息地は主にヨーロッパなどのユーラシア大陸ですが、ごく一部は北海道北部や北方領土に生息しています。シマフクロウなどと並んで世界最大級のフクロウです。季節によって移動しない留鳥です。

トラフズク

トラフズク
種類トラフズク
学名Asio otus
英名Long-eard owl
全長35~40cm
体重200~435g
分布北海道

本州と北海道、ヨーロッパなど幅広く分布しているフクロウです。寒い地域に住んでいる個体は、冬になると南側に移動してきます。

英語ではロングイヤーアウル(長い耳のフクロウ)で、耳のような羽毛(羽角)が長い事が特徴です。本州北部と北海道で繁殖するといわれています。

コミミズク

コミミズク
種類コミミズク
学名Asio flammeus
英名Short-eared owl
全長34~42cm
体重200~500g
分布日本全域

生息地域は広く、南極大陸とオーストラリア以外の全大陸にいます。コミミズクの「コ」は耳のような羽毛(羽角)がとても小さい、あるいはほとんど無いことから名付けられたものです。秋になるとシベリアから渡ってきます。

コノハズク

コノハズク
種類コノハズク
学名Otus sunia
英名Oriental Scops-Owl
全長17~21cm
体重75~95g
分布日本全域

本州南部では1年中を通して見られ、北海道や本州北部には夏にだけやってきます。日本にいるフクロウの中では最も小型で、体色は茶色がかっており樹皮のような模様をしています。
この模様のおかげで樹木に同化して敵にも気づかれにくいほか、獲物にも気づかれることなく捕食することが可能です。

リュウキュウコノハズク

リュウキュウコノハズク
種類リュウキュウコノハズク
学名Otus elegans
英名Elegant Scops Owl
全長17~21cm
体重100~120g
分布日本全域

日本で見られるのは沖縄だけ。台湾、フィリピンにも生息するコノハズクの一種です。全長は22cmほどで虫が食ったような褐色の模様が腹側にあります。
森林や山地に生息し、日中は樹上で休み、夜になると活発に動き出します。

オオコノハズク

オオコノハズク
種類オオコノハズク
学名Otus semitorques
英名Japanese Scops Owl
全長21~26cm
体重110~130g
分布日本全域

夏は北海道に飛来し、それ以外の地域では1年を通して生息しています。コノハズクよりも若干大きく、体色は茶色で目は橙色色、後ろ側にはグレーのまだら模様があります。

キンメフクロウ

キンメフクロウ
種類キンメフクロウ
金目梟
学名Aegolius funereus
英名Tengmalm's Owl
全長22~27cm
体重90~215g
分布日本全域

日本では北海道に極わずかいるのみで、めったに見られないフクロウです。北アメリカやユーラシア大陸北部にも生息していますが、臆病な性格で人間の寄り付かない寒帯林の中にいます。
小型サイズで、体に対して頭が大きい事が特徴です。名前の通り、その美しく輝く金色の目が特徴的なフクロウです。

アオバズク

アオバズク
種類アオバズク
学名Ninox japonica
英名Northern boobook
全長31~33cm
体重140~250g
分布日本全域

日本を含む、タイなどのアジア地域を主な生息地としているフクロウです。
日本には春以降、繁殖のために飛来します。アオバズクという名前は青葉が茂る季節にやってくることから名付けられています。

フクロウ(ウラルフクロウ)

ウラルアウル
種類フクロウ
学名Strix uralensis
英名Ural owl
全長50~65cm
体重450~1,300g
分布日本全域

ユーラシア大陸や、日本全国に生息する大型フクロウです。亜種として北海道にエゾフクロウ、本州中部にモミヤマフクロウ、九州・四国にキュウシュウフクロウがいます。
北にいるほど体色が白に近く、南にいくほど暗色になります。和名である「フクロウ」は総称のフクロウと区別するため、「ウラルフクロウ」と呼ばれることが多いです。

関東で見られる野生のフクロウ

  1. ウラルアウル
  2. トラフズク
  3. アオバズク
  4. コミミズク

自然豊かな地域を好む

ベンガルワシミミズク

野生のフクロウは山が残っている自然豊かな地域に生息していて、森が無い都会では中々見ることはできません。

低地、低山帯から亜高山帯にかけての様々な樹林に住み、特に大きな樹木のある落葉広葉樹林や針広混交林を好みます。

農耕地や草原、濃密に茂った針葉樹林などでも見られることもあります。

野生のフクロウは飼えるの?

AUSTRALIAN BARN OWL Tyto delicatula

野生のフクロウを許可なしに飼育すると、法律違反になります。

もし見かけたフクロウが脱走した迷子のペットフクロウだった場合、警察に連絡して早急に保護をしないといけません。

ペットフクロウとして流通している種類

  1. ウラルアウル
  2. ワシミミズク
  3. トラフズク
  4. キンメフクロウ
  5. シロフクロウ

野生フクロウとペットフクロウの見分け方

トラフズク

アンクレット・リーシュ・足環の有無で判断出来ます。

ペットのフクロウは基本的に個体識別のための、足環・ジェス(脚に装着する革やロープ)・リーシュ(長いロープのリード)がついています。

生態研究などのために野生鳥類を捕獲して識別足環を装着している場合もあります。

もし発見した場合は、自分では捕まえず警察に保護をお願いしましょう。

フクロウにまつわる日本の神話

アイヌの人々とフクロウ

日本の口承文芸と文学上の「昔話」や「神話」などの物語には動物がよく出現します。

特にフクロウという動物は、日本ヤマト文化では不吉な意味もあれば、幸運の象徴でもあります。

アイヌの人々の中でフクロウは特別な存在で、アイヌ語ではシマフクロウの事をコタンコロカムイ=村を守る神と呼び、夜になると起きてジッと村を見守り偵察してくれる守り神としてみていたようです。

日本のフクロウまとめ

ベンガルワシミミズク

昔はどこでもその姿を見ることができたフクロウ。

森林伐採などにより住めなくなり、絶滅の危機に瀕している種類も多くいます。

近年ではフクロウの保護活動も盛んで、植樹や巣箱の設置など、フクロウに住みやすい環境作りも進んでいるようです。

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