フクロウ（猛禽類）って飼育に許可や資格は必要なの？
現役のフクロウの飼育者がまとめました。
フクロウ・ミミズクをペットで飼いたい方の参考になれば幸いです！
この記事を書いた人
フクロウコンシェルジュ
フクロウ飼育に許可・資格は？
ブリーディングされた「ペット用のフクロウ」であれば、飼育許可や資格は必要ありません。
フクロウ・ミミズクを飼うのに必要な資格はなく、 家族として迎え入れる環境がきちんと整っていれば、ペットとして飼うことができます。
一般に「フクロウ・ミミズク」といえば、野山に住むフクロウのことを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか？
しかし野鳥の飼育は法律で禁止されていますので、野生のフクロウを飼うことはできません。
たとえ傷ついた鳥などを拾った場合でも、関係省庁の保護許可を受けなければ飼うことはできません。
飼うとすれば「ペット用のフクロウ」になります。
飼育可能なフクロウ・ミミズク
- 国内でブリーディングされたフクロウ
- 海外から正規輸入されたフクロウ
- それらを繁殖させたフクロウ
今は、様々なペット用のフクロウ類がブリードされていますので、多種より選ぶ事ができます。
人間にブリーディングされたものは、人慣れしていて飼いやすく、正に「ペット用のフクロウ」といえます。
ペット用フクロウといえども品種改良がされていない純血種。飼育は奥深いよ！
ペットフクロウの中には超小型種のフクロウも
ペットとして飼育されているフクロウの中には、アカスズメフクロウのように、20cmに満たないような、超ミニミニサイズの小型種フクロウもいます。
小型種のフクロウほど、警戒心が強めになる傾向があります。
フクロウや猛禽類を飼うための法律
フクロウの売買には「サイテス CITES (通称ワシントン条約)」が関係しています。
ワシントン条約ってなに？
正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引における条約：Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」といいます。
アメリカのワシントンで1973年3月3日に採択され、1975年に発効しました。
世界の国々は国際協力のもと、野生生物の国際取引を規制する国際条約を作りました。
取引の規制を通じて野生生物種を絶滅から守ることと共に、その持続可能な利用も大事な理念に据えています。
フクロウに関するワシントン条約
フクロウに関する項目は、ワシントン条約附属書IIに記載されています。
記載基準と規制内容
記載基準
- 現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅のおそれのあるもの
規制内容
- 商業目的の取引は可能
- 輸出国政府の発行する輸出許可書等が必要
- 海外から正式な手続きを経て輸入した個体（WC個体）
- または輸入したフクロウを繁殖させた個体（CB個体）のみペットとして飼育することが可能
CBとはCaptive Bredの略で、飼育下で繁殖されたフクロウの事で
WCとはWild Caughtの略で、野生で捕獲されたフクロウの事です。
特定動物のリスト
人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種（特定動物）は、令和2年6月1日から愛玩目的等で飼養することが禁止されました。
動物園や試験研究施設などの特定目的で特定動物を飼う場合には、動物の種類や飼養施設ごとに都道府県知事又は政令指定都市の長の許可が必要です。
関連リンク
飼育出来ない猛禽類の種類
一般家庭で飼育出来ない猛禽の種類をまとめました
特定動物のリスト（猛禽関連）
コンドル科 カリフォルニアコンドル，コンドル，トキイロコンドル ワシ・タカ科 オジロワシ，ハクトウワシ，オオワシ，ヒゲワシ，コシジロハゲワシ，マダラハゲワシ，クロハゲワシ，ミミヒダハゲワシ，ヒメオウギワシ，パプアオウギワシ，フィリピンワシ，イヌワシ，オナガイヌワシ，コシジロイヌワシ，カンムリクマタカ，ゴマバラワシ
一般家庭では飼えない猛禽類
ほとんどのワシ（鷲）クマタカ（角鷹）など、これらの大型猛禽類のほとんどは、一般家庭では飼育できません。
人の生命に危害を加える危険があるからです。
以前は県知事の許可を取得すれば飼育できましたが、2020年6月からは愛玩目的（ペットとして）で新たに飼育することは禁止されました。
特定動物の猛禽とそうでない猛禽をかけ合わせた個体（ハイブリッド種）も対象です。
法改正以前に許可を取得していた個体を飼育し続けることはできます
許可の取消・罰則など
許可のない捕獲、飼養、違法に捕獲した野生鳥獣の販売は、鳥獣保護法により罰せられます。
以下の行為を行った場合には、個人の場合は6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金、法人の場合は5,000万円以下の罰金に処せられます。
罰則対象
- 無許可で特定動物を飼養または保管する
- 不正の手段で許可を受ける
- 許可なく以下を変更する
- 特定動物の種類及び数、飼養施設の所在地、飼養施設の構造及び規模、
- 飼養又は保管の方法、飼養又は保管が困難になった場合の対処方法
罰則
| 区 分 | 罰 則 |
|---|---|
| 違法な捕獲 | 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
| 違法に捕獲した野生鳥獣の飼養／販売等のための譲受け・譲渡し等 | 6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
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